何か問題が発生した場合に、法的な解決を図れる場合とそうではない場合があります。
ただ、その振り分けは一般的には分かりにくく、法律相談を受けようと思って連絡しても、相談ができなかったり、逆に、連絡前にあきらめてしまって、本来は法的な解決を図れるにも関わらず、そこまでたどり着かないこともあるでしょう。
そこで、今回は、法的な解決ができない問題と可能な問題の違いについてお話ししたいと思います。
法的な解決ができない場合
まず、法的な解決ができない場合についてお話しします。
法的な解決では、世の中のルールである法律を使って解決を図りますので、法律に全く関係がない、法律では定められないような問題はなじみません。
具体的には、宗教的な教義が争われているものや、単なる道徳的なものなどです。
例えば、ある人が一定の宗教を信じているとして、家族が宗教上食べてはいけないものを食べているのを何とかしたいという問題や、何かを買う場合に行列に並んでいたが、いったん抜けてしまったときに戻れるのかどうか等の問題については、法的な解決はできません。
法的な解決が可能な場合
他方で、法的に解決な可能な問題というものは、法律の適用がある領域の問題は法的に解決可能です。
この点、一般的に、法律はかなり世の中の広範囲にわたって適用されるため、適用されない領域はかなり少ないと言えます。
婚姻や相続など、分かりやすいもののみならず、合意違反など、様々なものが含まれるものについても、法的に解決可能なことが多いです。
微妙な問題
なお、法的に解決できるかについては微妙な問題もあります。
一つには、裁判などはできるが、強制執行が難しいというものがあります。
強制執行の形にお金になってしまうことで、求める内容の実現を直接はできないということがあるのです。
もう一つは、最初から裁判はできなくても、合意に至ることで裁判が可能になるという性質のものがあります。
この場合、合意をすることで、法律行為となり、法的な解決が可能になります。
ですので、最初に法的な問題でなくても、法的に解決可能になりえるのであれば、弁護士に交渉方法などについて相談するというのも可能といえます。