立証責任という問題(証拠を保存しておく必要性)

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話し合いがまとまらず、最終的に裁判(訴訟)で解決を目指すことになった場合、避けて通れないのが「証拠」の問題です。裁判には、どちらが証拠を出して事実を証明すべきかという「立証責任」というルールが存在します。

今回は、裁判で負けないために知っておくべき証拠の考え方と、日常的な備えの重要性についてお話しします。

1. 「立証責任(挙証責任)」とは何か

裁判において、ある事実が「あったのかなかったのか」裁判官が判断できない状態になったとき、その事実を証明できなかった側が受ける不利益を「立証責任」と呼びます。

つまり、自分に有利な事実を認めてもらうためには、その事実についての立証責任を負っている側が、責任を持って証拠を出さなければならないのです。

2. 争いがない事実は証明しなくてよい?

民事裁判には「自白」というルールがあり、相手方が認めていて争いがない事実については、証拠がなくてもそのまま裁判の基礎として認められます。

例えば、「売買契約を結んだこと自体は認めるが、代金の金額が違う」という争いであれば、契約の成立自体に証拠を出す必要はありません。争点となっている「金額」についてのみ、証拠を出し合うことになります。

3. 「交渉時の態度」は裁判で一変するリスク

ここで注意が必要なのは、裁判前の交渉段階では争っていなかった事実が、裁判になった途端に否定されることが多々あるという点です。

裁判が始まってから「相手も知っているはずだ」と訴えても、証拠がなければ裁判所は認めてくれません。

[Image: A conceptual visual of “Burden of Proof” (立証責任) showing the scales of justice tipped by the presence or absence of evidence]

4. 「いつ何が起きるかわからない」からこその証拠

裁判において「立証責任」の壁にぶつからないためには、トラブルが起きる前から準備しておくしかありません。どれほど信頼している相手とのやり取りであっても、合意内容をメールや書面で残しておくことは、自分を守るための最強の盾となります。


裁判になってから「証拠が足りない」と気づいても、過去に遡って証拠を作ることはできません。今お持ちの資料で十分に立証ができるのか、あるいは相手方の反論をどう崩すべきか、不安がある場合はお早めに弁護士へご相談ください。立証責任の観点から、戦略的なアドバイスをいたします。