親族が亡くなると、葬儀や死亡届の提出など、急いで様々なことを行う必要があり、相続関係の処理が後回しになることが多くあります。
相続手続きには時効はないため、必ずしも急いで行う必要がないものもありますが、早めに動いておいた方が良いもの、期限までに行わなければならないものなどもあります。
そこで、今回は、親族が亡くなった場合に早めにすべきこと(相続関係)についてお話ししたいと思います(なお、今回のお話はあくまで相続の関係に限ります。死亡届や葬儀、埋葬許可など、相続とは無関係の話については触れません。)。
相続手続きに関係する期限
相続に関連する手続きの中で期限があるものは、主に、相続放棄・限定承認の手続き、相続放棄や限定承認の熟慮期間伸長手続き、相続税の申告、相続登記申請です。
相続放棄・限定承認の手続きは、自分が相続したことを知ったとき(だいたいの場合は被相続人が死亡したことを知った時)から3か月以内に行う必要があります。
また、相続放棄や限定承認の熟慮期間伸長手続きについても同様です。
これらの手続きは被相続人の最後の住所を管轄する裁判所で行う必要があり、裁判所への申請を上記の3ヶ月以内に行う必要があります。
相続税の申告については、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行う必要があります。ただし、基礎控除以下の遺産しかない場合には申告の必要はありません。
相続登記申請は、不動産の相続を知った時から3年以内に行う必要があります。
通常、相続登記は遺産分割協議などが終わった後に行いますが、遺産分割協議が行われず3年が経過してしまう場合には、相続人申告登記というものを行えば良いとされています。
早めに行った方が良いもの
上記の期限とは別に、相続に関し、早めに行っておいた方が良いものがあります。
まずは、相続人の調査や遺産の調査です。これは、相続放棄に関係しますが、遺産に多額の債務があるなどした場合、相続放棄を行うことになりますが、相続放棄が3ヶ月の期限がある関係で、調査は早めに行う必要があります(相続放棄申述期間伸長手続きもありますが、何度も延ばせるわけではないため、早く着手する必要があります。)。
次に、遺言の調査です。遺言があれば、遺産分割協議なしに相続することになる可能性がありますので、早めに確認した方が良いでしょう。
さらに、遺産の管理に関することです。自宅の鍵の保管や誰が代表窓口になるか、当座の処理を決めておいた方が良いです。