トラブルが話し合いで解決した際、最後に欠かせないのが「合意書(示談書)」の作成です。せっかく合意に至っても、内容が曖昧だと「言った・言わない」の再トラブルになり、せっかくの合意が無意味になってしまうこともあります。
今回は、特にお金の問題(金銭請求)を解決する際、後悔しないための合意書の書き方とポイントを解説します。
1. 支払いに関する基本条項:金額・期限・方法を明確に
まず「誰が・誰に・いくらを・いつまでに・どうやって」支払うかを、誰が見ても分かるように記載します。
- 記載例:「乙は甲に対し、本件解決金として金〇〇円の支払い義務があることを認める。」
- 支払方法の指定:振込先の銀行名、支店名、口座番号を正確に記します。また、「振込手数料は乙の負担とする」といった細かい点も明文化しておくと、後の少額のズレを防げます。
- 分割払いの場合:毎月の支払日と金額を具体的に箇条書きなどで記載しましょう。
2. 支払いが滞った時のための「期限の利益喪失」条項
分割払いの場合、この条項がないと、相手が支払いをサボっても「残りの全額を今すぐ払え」と請求することができません。これを防ぐために以下の内容を盛り込みます。
- 期限の利益喪失:「分割金の支払いを2回分以上怠ったときは、当然に期限の利益を失い、残金を一括で支払わなければならない」といった趣旨を記載します。
- 遅延損害金:一括請求になった場合のペナルティとして、年率(例:3%など)を定めておくことで、支払いの心理的な強制力を高めることができます。
3. 紛争に終止符を打つ「清算条項」
「この件については、これ以上お互いに何も請求しません」という約束が清算条項です。これがなければ、後から「実はあの件も……」と蒸し返されるリスクが残ります。
- 記載例:「甲及び乙は、両者の間には、本合意書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。」
- 注意点:もし他にもまだ解決していない別の問題がある場合は、範囲を絞るなどの慎重な検討が必要です。
合意書は、一度サインをすると原則として内容を書き換えることはできません。自分たちで作成することに少しでも不安がある場合や、金額が高額な場合は、法的に不備がないか弁護士のリーガルチェックを受けることをお勧めします。
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