親が高齢になってくると、同居しているお子さんなどが、その財産管理をお願いされたり、財産管理をせざるをえなかったりすることがあります。
親が比較的元気なうちはよいのですが、親が認知症などになる、施設に入所するなど、親の意思確認が難しい、または、難しくなりそうな状況になると、あとになってその時の財産管理がおかしかったのではないかと、別のご家族から追及されることがよくあります。
このようなトラブルを防ぐためには、早めに弁護士に相談することが大切です。
弁護士に早めに相談すると、以下のようなメリットがあります。
適正な財産管理の方法が分かる
親など近親者であっても、他人の財産を管理することになりますので、自らの財産と分けて管理をすることや、記録をつけておくこと、資料を残しておくことなど、財産管理特有の手法を取り入れる必要があります。
早めに弁護士に相談しておけば、後日証拠として使えるような記録などのポイントを教えてもらえますので、後日のトラブルを避けられる可能性が高まります。
また、親などの近親者の財産管理の場合、口頭によるやりとりがほとんどになり、後日証明しようとしても証明できないことも増えてきます。
弁護士での相談では、このような記録に残らないものについてどう対応すべきか、やはり記録を残しておくべきなのかなど、現実的な方法についてもアドバイスがもらえると思います。
後日のトラブルを防止するポイントが理解できる
先に述べた証拠の関係のみならず、後日争いになりそうな家族(兄弟など)に対する対応も、後日のトラブルが発生するかに関係してきます。
例えば、ある程度、定期的に報告などをしている場合と、全く報告しない場合では、後者の方が後日トラブルは起きやすくなります。
弁護士に相談した場合、こういった対応に関してもアドバイスを受けることができます。
場合によっては成年後見人などを利用する必要性についてアドバイスがもらえる
事例によっては、親が高度の認知症になってから、事実上財産を管理している場合など、親自体からの委託に基づかずに管理している場合もあります。
この場合、急場であれば仕方ありませんが、長期的には後日問題になる可能性が高くなります。
そして、問題にならないようにするためには、成年後見人などの各種制度を利用する必要がある場合もあります。
弁護士に早めに相談しておけば、そういった判断も可能になり、後日の問題を避けることができるようになります。
生前贈与や親からの生活費支出が関係する場合など注意点が分かる
特に生前贈与や生活費支出など、管理している親の資産で自分またはその家族に何らかの支出をする場合、後日トラブルが起きる可能性は非常に高いです。
親と話がついているとはいえ、親の判断能力の問題であったり、証拠の問題であったり、様々な問題が発生する可能性があるからです。
この場合には、財産の移動前に弁護士に相談し、後日のトラブルを避ける方法を教えてもらった方が良いです。
弁護士に相談するデメリット
弁護士に相談するデメリットは費用と時間がかかること以外、特にありません。
費用に関しても法テラスの制度を利用して相談料が実質無料になることもあります。
上記のメリットからすれば、お早めに相談された方が良いでしょう。