相手方との間で話し合っているがなかなか解決できない場合や,相手方があまり連絡がつかず話し合いが進まないなど,問題がなかなか解決しない場合に,裁判をすべきか悩む場合があります。
裁判について,良いイメージを持っている場合は裁判をしたいと考えるでしょうし,悪いイメージを持っている場合は,裁判を避けたいと思うでしょう。
しかし,考えるべきは,話し合いで解決すべき問題なのか,裁判で解決すべき問題なのかです。
今回はこの問題についてお話ししたいと思います。
裁判で解決すべき場合
裁判で解決すべき場合はどういう場合かというと,裁判で解決できる問題ということができます。
つまり,裁判で解決できる問題であれば裁判での解決を視野にいれるべきです。
裁判で解決できる問題というのは,証拠があり,言い分も明確で,法律を適用すれば,こちらに有利な結論が出る場合です。そして,裁判で判決が出た後,差押なども可能な場合です。
このような場合には,裁判を行なった場合,こちらの希望がある程度かなう可能性が高いため,裁判で解決すべき問題といえます。
この点に加え,相手方との関係が希薄で今後の人間関係に影響がないとか,相手方がそもそも連絡できない状態であるとか,一定の費用は準備できるなどの副次的な事項も考慮に入れ,問題なければ裁判で解決して良いと思います。
話し合いで解決すべき場合
他方,話し合いで解決すべき場合は,上記の裁判で解決すべき場合のいずれか一つでも条件が欠ける場合です。
例えば,証拠がない,言い分があいまい,法律を適用しても有利とはいえない,差押などが難しい,相手方との人間関係を保持しなければいけない,費用がないなどです。
これらの場合には,裁判をしても思った効果が望めない場合がありますので,なんとか話し合いで解決できないかということも考えるべきです。
調停やADRという選択
仮に話し合いでの解決を目指すとしても,話にならない場合には,ただ話し合っても解決は難しいでしょう。
そういったときは,裁判所で実施している調停や弁護士会などで行なっているADRを利用するとよいでしょう。
これらは第三者が間に入って話し合いをする手続きです。
当事者同士ではなかなか進まない場合,第三者が入ることで解決の方向へ向かうこともありますので,話し合いをしたいがなかなか難しい場合には,調停やADRを行なうことも一つの選択です。