夫婦で協議して離婚する場合、離婚することと、お子さんがいる場合には親権者をどちらにするかを決めてしまえば、離婚届を提出でき、離婚することができます。

 ただ、そのほかに何も決めないまま離婚してしまうと、養育費や財産分与などを決めないことになりますので、経済的な点などで生活が大変になってしまうこともあり得ます。

 養育費や財産分与は、離婚後に決めることも可能ですが、財産分与は離婚後2年、慰謝料は離婚後3年で請求できなくなってしまいますし、養育費にはそのような期限はないものの、請求時点までしかさかのぼれず、それまでの間の分はもらえなくなってしまいます。

 また、相手方の所在が不明になってしまうと、離婚後の話し合い自体難しくなります。

 そこで、離婚の際にしっかりとした取り決めをしておくことが重要になります。

 そして、その取り決めは離婚協議書など書面にしておくことも重要です。書面にしておけば、取り決めた内容を忘れることもありませんし、履行しない場合、裁判所の手続きをする必要がでてきますが、その際の証拠にもなります。

 今回は離婚協議書を作成する場合に、どのように記載すればよいのかお話ししたいと思います。

 

離婚すること自体に関する記載

 まず、離婚に関する記載をします。この点、シンプルに「甲と乙は、本日、離婚することを合意する。」でもよいですが、離婚届をどちらが出すのかなども決めておいた方がトラブルは少ないでしょう。

 このような場合には、「甲と乙は、本日、離婚することに合意し、乙は離婚届出用紙に必要な事項を記載して署名押印し、甲にその届け出を委託し、甲は速やかにこれを届出する。」などと記載するとよいでしょう。

 ただし、離婚届がすでに作成済みな場合など、合意する段階によって若干表現などが変わってきますし、不受理届を提出している場合などには、その撤回についても記載しておいた方が良いかもしれません。

 

親権に関する記載

 親権者については、「甲乙間の長女〇〇(〇年〇月〇日生)の親権者を母である甲と定め、今後、同人において監護養育する。」といった記載になります。

 お子さんが複数いる場合は、子の記載の部分を複数列挙して記載することになりますが、お子さんごとに親権者が異なる場合には、上記の記載を2つに分けて記載するなど、工夫する必要があります。

 

面会交流に関する記載

 面会交流に関し、一般的なペース(例えば、月1回など)を決め、具体的な面会の仕方は都度お互いで決める場合、「甲は、乙が、長女〇〇(〇年〇月〇日生)と、月1回程度、面会交流することを認める。その具体的な日時、場所、方法等は、子の福祉を尊重し、甲乙間で協議して定める。」というような記載になります。

 ただし、もっと詳細を決めておいた方が良い場合には、決めておく条件を詳しく記載した方が良いです。

 例えば、「面会場所は〇〇とし、面会時間は午前〇時から午後〇時までとする。ただし、子の福祉に従い、甲乙間で協議の上、面会場所または面会時間を変更することができる。」などと記載しておくことがあり得ます。

 

(協議離婚をするときに作成する離婚協議書の記載について②に続く)

 

 

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