最近、裁判のIT化の議論が活発に議論されています。諸外国ではかなり進んでいるところもありますが、日本はまだ議論の途中です。

 ただ、一部IT化が導入され始めましたので、今回はその現状などについてお話ししたいと思います。

 

インターネットによるテレビ会議の導入

 現在、日本で導入されてきている裁判のIT化は、インターネットによるテレビ会議の導入です。

 これは、裁判の期日のうち、進行協議期日など、一部の期日(または期日間の調整)について、インターネットによるテレビ会議システムを使って、裁判所と代理人弁護士等で協議等するものです。

 このシステムの導入により、直接裁判所に出頭できなくても、ある程度裁判を進行させることができるようになりました。

 

IT化はまだまだ進んでいない

 とはいえ、このようなテレビ会議システムの導入は、これまでも電話会議システムを利用していたことからすれば、それほどのメリットにはつながっていません。

 議論も途中ですし、今後徐々に進んでいきますが、現状はまだまだといったところです。

 

IT化には難題もある

 IT化を進めるには、まず、たくさんの法改正が必要になります。現在の法律は対面が原則になっている、書面での提出が必須の書類があるなど、IT化をするにはそぐわないようになっています。ですから、まずは多数の法改正が必要になります。

 また、これは個人的な感想も含まれますが、セキュリティ面の配慮も課題になります。裁判の中には、個人情報など公開になじまない情報も取り扱うことがあるため、情報漏洩などのセキュリティリスクへの配慮は必須だと思います。

 加えて、ITになじみのない方々の裁判を受ける権利の保護も必須です。

 

 今後、議論や法改正が行われ、IT化の流れが進みますが、上記のような難題についてどうカバーしていくのかなど注視していきたいと思います。

 

 

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