相手方から何か請求されている場合や,回答を求められている場合に,期限が書いてある場合があります。

 裁判所や行政などからの通知に関しては,法律に基づいた期限が記載してあることがあり,この場合には法律上守る必要があることは理解できると思います。

 では,相手方からの手紙や相手方がつけた弁護士からの手紙などの場合,期限を守る必要はあるのでしょうか。

 

期限を守る法的な義務はない

 金融機関などとの契約内容として,期限内の支払が定められており,その期限が記載されているのであれば,契約上の義務として,期限を守る必要はあります。

 しかし,相手方がいつまでに支払ってほしいとか,いつまでに回答がほしいという内容で期限を付してきている場合,契約等が前提になっていなければ,法的拘束力がなく,期限を守る法的義務がないことが一般的です。

 したがって,このような場合は,必ずしも守る必要はないといえます。

 

しかし一定のリスクはある

 ただし,法的義務がないからといって,全く期限を守らなくてもよいのかというと別問題です。

 特に話し合いで解決をしたい場合,期限内に全く何もしない場合,相手方から見れば,無視されたと感じる可能性がありますので,その後の話し合いがうまくいかない可能性が高くなります。

 ですので,話し合いで解決を図りたい場合には,必ずしも相手の要望を聞く必要はありませんが,今後検討しますくらいの回答を期限内に行うことが重要な場合もあります。

 

回答などは書面でもよい

 とはいえ,紛争状態になっている状態で相手方に連絡すること自体が紛争を激化させることもあります。

 そこで,上記のとおり,何か回答をするのであれば,書面を送る,メールを送るという程度でも良いと思います。

 すなわち基本的な姿勢として,誠実に対応すればよく,他方,相手方のいいなりになることや相手の土俵に上がる必要まではないということです。

 

どう回答してよいかなど悩んだら

 回答内容や期限を守るべきかどうか,悩ましい場合には,弁護士に相談してみるのも一つの方法です。特に激しい手紙がきた場合や,相手方の弁護士から連絡がきた場合には,悩ましい場合が多いかと思います。この場合には,お近くの弁護士に相談してみましょう。

 

 

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