別居時の婚姻費用や離婚後の養育費について,従前取り決めをした場合に,状況が変わったことから,その内容を変更したい場合があります。
例えば,仕事を失った,子どもが生れた,再婚したなど,事情によっては一度取り決めた婚姻費用や養育費が不適切になってしまうことがあります。
このような場合,婚姻費用や養育費の増額や減額を請求することができます。
今回は,このような婚姻費用・養育費の増額・減額についてお話ししたいと思います。
婚姻費用や養育費は増額請求・減額請求が可能
審判,調停,公正証書などで一度決定した婚姻費用や養育費については,事情の変更があれば,増額や減額を請求することができます。
請求可能な事情の変更としては,失業,減収,増収,出産,再婚などがあります。
もっとも,増収・減収などの場合,影響する金額が小さい場合には認められないことがあります。
手続は協議,調停,審判など
増額請求や減額請求の手続ですが,配偶者や元配偶者と協議できればそれでも良いですが,協議ができない場合には,裁判所の調停で請求することになり,調停でも協議が整わなければ,審判という形で裁判所が決定します。
減額請求中でも支払を停止できるわけではない
調停など手続中の場合に,支払を停止したいと考える方もいらっしゃいますが,それはできません。
減額等が定まるまではあくまで前の合意等が生きていますので,支払は継続する必要があります(減額等が認められる場合に,後日調整することはあり得ます。)。
一方的に減額はできない
なお,減額請求ができる場合であっても,上記のような手続をとらずに,一方的に減額することはできません。
勝手に減らして支払った場合には単なる滞納になってしまいますので,注意しましょう。