離婚の協議や調停などで、話し合いを行う場合、お互いの主張が平行線で合意が成立しないことがよくあります。
確かに互いに事実認識が異なれば、相手方に対して嘘ではないのかと指摘したくなりますし、離婚になるまでにどちらが悪かったかを確定したくなることはあります。
しかし、離婚については、強制的に行うには裁判しかなく、裁判で離婚可能な離婚原因がない場合など協議や調停で離婚しない限り離婚できないこともあります。
そこで、今回は協議や調停で離婚するためにはどうすればよいか、主張についてどこまでいうべきかという観点も含めお話ししたいと思います。
協議や調停では事実を確定することはできない
まず前提として、協議や調停は真実を確定する場ではありません。
相手方に説明や見解を求めることはできますが、あくまで話し合いですので、こちらの認識を強要したり、第三者に確定してもらうことはできません。
お互いの主張はあくまでお互いの主張として、平行線のものは平行線のまま、今後どのようにするかを話し合うことになります。
協議や調停の目的は合意の成立
そして、協議や調停の目的は合意の成立です。今後、離婚する場合や離婚した後のことについて、双方で調整しておくというのが目的です。
ですので、協議や調停で、相手方を無駄に責めたり、誹謗中傷することは避けるべきです。
自分の主張はどこまですべきか
裁判の準備の側面も視野に入れれば、相手方の主張に対してはしっかりと反論しておく必要はあります。
しかし、反論の中には事実ではなく、相手方が嘘をついているとか、相手方がこういう風にひどいなど、評価に関するものがあります。
評価の部分に関しては、法的評価は別として、感情的な評価を入れたからといって、協議や調停が円滑に進むことはなく、かえって円滑な進行を妨げてしまいます。
そこで、事実を淡々と主張し、法的な評価はしたとしても、感情的評価はできるだけ避けるという方が無難です。
なお、物は言いようということもありますので、主張をするにしても表現には注意しましょう。
理想は将来に向けた話をする
協議や調停で合意を成立するための理想は、相手方とともに、双方の将来を考えるという姿勢になることです。お互いがこのような姿勢になれば、合意の成立可能性が高くなります。
ですので、主張をするにしても、言い方も含め、将来についてどうするということを中心にお話しした方が良いでしょう。