相続は一生に何度もあることではなく,どうしていいのかわからないということも多くあります。
今回はそのような相続に関しての疑問についてお話ししたいと思います。
遺産分割に期限はあるか
遺産分割手続について,被相続人がなくなってから10ヶ月以内であると思っている方がいらっしゃいます。
10ヶ月というのは,相続税の申告についての期限です。遺産分割の期限ではありません。相続税については,大きい金額の控除がありますので,それほど財産がない場合には,課税されませんので,10ヶ月という期限を気にする必要はありません。
遺産分割自体は期限はありませんので,ゆっくり検討して協議しても大丈夫です。
他方で,遺言などで,相続人の一人が遺産を独り占めしてしまった場合などの遺留分侵害額請求については,その侵害を知ったときから1年間という期限があります。
このような場合は,内容証明郵便など,証拠が残る形で,1年以内に遺留分侵害額請求を使う旨を相手方に通知する必要があります。
兄弟姉妹から書類の記載を頼まれたらどうすればよいか
遺産分割に際して他の相続人から書類を書くように頼まれた場合には,書類の中身をしっかりと確認する必要があります。
例えば,不動産について売却して相続人で代金を分けると言っているのに,相続人から渡された書類が「相続分がないことの証明書」などの,相続不要を意味する書類であることがあります。このような場合,後日話が違うといっても争うことが難しくなるおそれがあります。
書類を渡されたら,しっかりと中身を確認しましょう。
他の相続人が遺産の中身を教えてくれない
他の相続人が遺産の中身を知っているにもかかわらず,教えてくれないということもあります。
このような場合,相続人であることがわかる書類(戸籍等)を取得すれば,銀行などで一人の相続人が単独でその中身を調べることができます。
全ての遺産を知ることは難しいですが,ご自身で調査するというのも一つの方法です。
他の相続人の有無をどうやって調べればよいか
親が再婚であるなどして他に相続人がいると考えられる場合もあります。
このような場合は,戸籍,除籍,改製原戸籍を調査することになります。
相続に関連するものであれば,ご自身でも調査できますので,まず戸籍等を順番に取りましょう。
難しい場合には弁護士に相談しましょう。