長年放置してある空き屋や農地など,特に無関係な方からすれば,何かする必要があるわけではありませんが,台風の際に屋根が飛んできてしまいそうだとか,その土地を買いたいとか,利害関係が出てくると,その不動産についてどういった手続きを経れば,希望を叶えることができるのか問題になります。
今回は,長年放置してある不動産について,どのような手続きがあり得るのか,お話ししたいと思います。
まずは不動産の全部事項証明書を取得する
そういった不動産がある場合,まずはその不動産の全部事項証明書を取得します。
全部事項証明書は法務局で誰でも取得できます。
基本的には住所で取得しますが,住居表示と所在がずれることがありますので,その際は法務局の担当の方に確認しましょう。
全部事項証明書に記載のある所有者に連絡を取ってみる
全部事項証明書には所有者の名前だけでなく住所の記載もあります。
住所は登記時のものなので,現在そこに住んでいるとは限りませんが,本人または関係者が住んでいる可能性がありますので,そこに手紙を出してみるなど連絡を取ってみるのも一つの方法です。
専門家に依頼する方法もある
連絡を取ってみても難しかった場合や連絡をとることに抵抗がある場合などは,不動産業者に依頼する,または,弁護士に依頼するなど,専門家に依頼した方がスムーズかもしれません。
弁護士の場合には,その方の戸籍等を取得し,生存を確認したり,相続人を確認したり,今後の手続きに必要な準備をします。
名義人が亡くなっていて,相続人もいない場合,相続財産管理人の選任などを行って希望を叶えるという方法もあります。
このような手続き選択は専門家でないと難しいところです。
以上のとおり,なかなか難しい状況になった場合には,弁護士など専門家に相談しましょう。