♦相手方の意思を確認する
離婚を決意し,離婚後の生活についても考えた後,相手方と離婚の話し合いをすることになります。
この時に大切なことは相手方の意思を確認することです。
一般的な離婚の話し合いの場合,どうして離婚をするのかとか,どちらが悪いとか,感情的な話し合いに終始しがちです。
また,最初は冷静に話し合っていても,話すにつれて気持ちがエスカレートし,思わず相手方への不満などをまくしたててしまうこともよくあります。
ですが,円満に離婚するためには,相手方の考えや気持ちにも一定の配慮をすることが大切になってきます。
特にお子さんがいる場合,離婚後も養育費や面会交流などで相手方と継続して関わらざるを得ず,いわば戦争状態のまま離婚することは得策ではありません。
そこで,話し合いのスタンスとして,相手方はどう考えているのか,離婚に応じる気持ちがあるのか,条件面の希望があるのかなどを聞き取ることが重要です。
離婚の意思を告げた後,自分の考えを伝えるのも大切ではありますが,相手方の意思を確認することに比重をおいて話し合ってください。
そして,その場では決めず,相手方の考え方に理解を示した上で,また考えてみることが重要です。
場合によってですが,感情的になりそうになったら,いったん話し合いはやめ,後日弁護士に相談した上で,改めて話し合うのも一つの手です。
♦相手方に離婚の意思がある場合
最初の話し合いで相手方も離婚に応じそうであれば,次の話し合いから少しずつ条件面を詰めることになります。
離婚の際に決める主なものは,お子さんがいらっしゃる場合,①離婚すること,②親権はどちらか,③養育費の支払い,④面会交流,⑤財産の分け方(財産分与),⑥慰謝料の支払いなどです。お子さんがいらっしゃらない場合には,上記のうち,①離婚すること,⑤財産の分け方(財産分与),⑥慰謝料の支払などになります。
また,実際には,離婚後の連絡を要する場合の連絡方法や離婚届をどちらが出すかなど細かい話し合いも必要になってきます。
これらを一つずつ話し合っていくことになりますが,注意点としては,譲歩できるところは譲歩しつつも安易な妥協はしないことです。
人によっては,離婚できれば良いから養育費はいらないし財産もいらないというような判断をしてしまうことがあります。このような話し合いをしてしまうと,離婚後数か月して経済的に苦しくなって相手方に養育費を求めても,相手方からはいらないといったじゃないかなどと言って支払いを拒否される可能性が高くなってきます。
ですので,安易な妥協はしない方が良いです(養育費は最初にいらないと言っていてもあとで請求できることもあります。しかし,一定の手続きが必要になるなどして負担が増してしまうのは確かです。)
かといって,自分が必要としている金額から1円たりとも譲らないなど,全く譲歩しないと話し合いはうまく進みません。
話し合いの際は,一つ一つ冷静に,お互い譲歩しながら進めていくことが大切です。
このとき,法律上の相場やこじれた場合(裁判などになってしまった場合)どうなるのかを知っておいた方がスムーズに話し合えると思います。
(円満に離婚するには③につづく)