新型コロナウイルスの猛威がまだまだ続いていますが,そのような中,経営が厳しくなり,会社の整理をしなければならない場合があります。
会社の整理には種類がありますが,一つの方法として法人破産があります。
法人破産は法人である会社の資産,債務を整理して,会社を消滅させる手続きで,裁判所で行う手続きです。
今回は法人破産をする場合にあたっての注意点をお話ししたいと思います。
予納金の問題
まず,法人破産には,裁判所への予納金が数十万以上かかるのが一般的です。
破産する会社は,資金繰りに詰まっているため,余裕がなく,また,代表者も同様の状況にあることが多く,予納金の準備をどうするかが問題になることがあります。
ですので,法人破産を行うタイミングは難しいので,弁護士に依頼して進める場合,資金的なタイミングをはかる必要があります。
書類の収集(特に会計書類)
法人破産の場合,帳簿等会計書類が重要になりますが,倒産直前の資料は整理されていないことが多く,紛失してしまっていることもあります。
破産を考えた場合には,資料を保存しておく必要があります。
代表者の保証の処理
会社の債務には,代表者の保証がついていることが多く,法人破産だけでは解決しない場合があります。
このような場合,代表者個人についても債務の整理を行う必要があります。
取引先への対応
取引先の対応が激しいことが予想される場合,こちらもタイミングや流れを十分に検討する必要があります。
資産の保持
資金繰りが悪化すると,資産の売却等を行わざるを得ないこともありますが,場合によって,破産手続きにおいて売却等が問題視されてしまうこともあります。
弁護士を依頼して具体的に進める場合や,破産を検討している場合には,資産の売却等は十分に注意し,どうしても行う場合には,資料を全て取っておくなどの措置をする必要があります。
手続的な注意点
株式会社などでは,取締役会の承認などが必要になってきますので,手続き的な流れも抑えておく必要があります。