相談申込みをいただいた際に、法テラスを利用できるかという質問をいただくことが度々あります。

 また、法テラスの制度を利用することで相談料の負担がなくなる可能性がある旨のご説明をした場合には、法テラスに予約を取らなければならないのかなど、その利用方法について質問を受けることもよくあります。

 そこで、今回は法テラスの利用全般について、その制度の概要にも触れながらご説明したいと思います。

 

法テラスとは

 法テラスとは、日本司法支援センターという名称が正式名称の、独立行政法人です。

 様々な業務を行っていますが、法律相談の際に関係するものとして、法律相談援助及び代理援助があります。

 おおざっぱにご説明すると、法律相談援助は法律相談の相談料を法テラスが負担してくれる制度、代理援助は弁護士を依頼する際の着手金等について法テラスが立替払いをしてくれる制度です。

 法律相談援助が利用できれば、同一案件で3回まで(他の事務所での相談も含みます。)法律相談が実質的に無料で受けられることになり、代理援助については、法テラスが立替払いをした費用を法テラスに分割して支払うことになるため、分割払いでの依頼が可能になるというメリットがあります。

 

援助を受けるための要件

 各種援助を受けるためには、一定の資力基準(収入や資産が基準以下であること)を満たす必要があります。

 そもそもこのような制度がある理由は、経済的な理由から法的サービスを受けることが難しい人の救済という点にもあることから、自ら弁護士への相談費用や依頼の費用を負担できない場合を制度の対象としているのです。

 資力基準の具体的な内容は法テラスのホームページなどをご参照いただきたいのですが、その資力基準を満たすことが利用の条件になります。

 なお、法律相談援助や代理援助については、純然たる刑事事件や、法人・団体の相談・依頼は含みませんので、ご注意ください。

 また、事件の内容や状況により、民事法律扶助制度の趣旨にそぐわないものについては利用できない場合もあります(例えば権利濫用的な裁判を行う内容など)。

 

援助を受ける場合の手続き

 法律相談援助については、法律相談の際に要件を満たすか弁護士の方で確認し、利用できそうであれば、申込書を記載いただくだけで大丈夫です。特に法テラスに相談前に連絡することや法テラスを通じた予約などは必要ありません。

 代理援助の場合には、一定の資料を添付して申し込むことになりますが、その場合でも、事前の法律相談の際などに必要書類をご案内し、依頼する弁護士を通じて申し込みを行うことになりますので、ご本人が特別に法テラスと連絡を取るなどの必要はありません。

 

法テラス利用のメリット・デメリット

 法テラス利用のメリットは上記のとおり、法律相談援助では法律相談が実質無料に、代理援助では分割払いが可能になるメリットがあります。

 また、一般的な相場の話でいえば、依頼の際の金額なども相場よりは低くなる場合が多いです。

 他方で、法テラス利用のデメリットは、対象となる事件などが限定されていること(依頼内容によっては利用できない)、法テラスとの手続きもあるため単純に弁護士との間での契約を行うよりも若干煩雑になることがあるということ、弁護士報酬などについては法テラスの審査による決定を経るため、正確な費用はその段階にならないとわからないという点があります。

 とはいえ、経済的に要件を満たす場合には、法テラスを利用することで気軽に弁護士を利用することも良い選択かと思いますので、ご利用を考えている場合にはお気軽にお申し付けください。

 なお、当事務所では法テラスと契約を行っており利用は可能ですが、全ての事務所で利用できるとは限りません。当事務所以外の事務所にご相談等される場合には、当該事務所にお問い合わせください。

 

 

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