紛争が起きて訴訟、調停、交渉で解決する場合や、紛争がなくても法的手続を行う場合、証拠は大変重要になります。
証拠という言葉は「論より証拠」などというように、割となじみのある言葉ではありますが、具体的にどのような物が証拠になるのか、どうやって証拠を集めるのかなどについては、なかなか分かりにくいと思います。
そこで、今回は証拠にはどんなものがあるか(種類、重要性、収集方法)についてお話ししたいと思います。
書類が最重要
まず、証拠においては、書類が最重要です。
特に契約に関する問題であれば、契約書など、その内容自体が記載してあり、日付や署名押印などがしてある書類が最も重要になります。
また、そこまでの書類でなくとも、見積書や請求書、連絡文など、相手方とのやりとりが記載してある書類も証拠としては重要なものになりえます。
なお、書類といっても、現在では連絡についてメールやLINEなどが利用されることも多いため、その画面を撮影した写真やデータなども証拠になります。
動画や音声も重要
争いになっている出来事について撮影した動画や音声データも重要な証拠になります。
特に契約の場面や合意前の説明の場面などは、その契約・合意の経緯や内容を証明する証拠になることが多く、重要です。
争いになってからの動画や音声も、そのやりとりの証拠として利用できますが、上記のような動画などよりも、証拠の力としては弱くなりがちです。
証人も証拠にはなるが
証人の証言も証拠になります。
ただ、注意しなければならないのは、人間の記憶はあいまいで、変わりやすいことです。
時間が経過すればするほど、忘れてしまうこともあり、証拠としては若干弱さがあります。
紛争解決まで時間がかかりそうな場合などは、陳述書など、記憶を書面化しておくことで、一応保存しておくことが有用な場合もあります。
自分や相手方の記憶は
自分が知っていること、相手方が知っているはずのことなどは証拠としてはかなり重要度が下がります。
特に裁判所など第三者が介入する手続きでは、当事者の記憶は証拠として重視しません。
ですので、紛争になりそうなものや、潜在的に紛争になる可能性のある重要事項に関しては、できるだけ書面など証拠を残しておいた方が良いでしょう。