法的な手続きを行う場合には、証拠が大変重要になります。
これは裁判官などの第三者が判断するためで、本人の話のみを前提としてしまうと、相手方にとって不当な判断がなされてしまうからです。いわば公平な判断を行うためといえます。
もっとも、証拠と一口にいっても、一般には何が証拠になるのか、判断することは難しい場合が多いです。
そこで、今回は証拠になるものやならないものについて、その探し方も含めお話ししたいと思います。
書類について
まず、証拠の代表的なものは契約書などの書類です。
相手方も含め、署名押印があり、争いになっている事実について明確に書いてあるものについては、証拠として強い力があることが多いです。
他方で、署名押印がないもの、争いになっている事実について明確に書いていないものについては、そこまで強い証拠にはなりません。
また、自分で記載したものや、後日時間が経過してから記載したものなどはより弱いものになります。
証拠書類については、紛争の経過で出来上がっていくものが多いので、これまでの経緯の中で作成したものがないか探すことになります。
役所や第三者が持っているものがあることもありますので、確認が必要です。
音声やデータについて
音声やデータも文書同様の証拠となります。
もっとも改変があり得るので、利用には注意が必要です。
過去の携帯やICレコーダーなどに残っている場合には、消えてしまうことがありますので、こちらも注意が必要です(できればデジタルデータ関係は、定期的に保存状態を確認する方が良いでしょう。)。
証人の記憶について
証人の記憶も証拠にはなりますが、他の証拠よりも変化しやすいため、証拠として弱くなります。
また、そもそも証言してほしい内容が、証人自身が体験したものではなく聞いたことだと証言としてはあまり意味はありません。
証人を探すためには、問題の場面で一緒にいた人に、記憶があるか聞いてみる必要があります。