お金を貸すときの借用証など、書面を交わさずに約束事を交わすことがあります。
当事者間で約束が守られれば良いのですが、片方が守らない場合、約束の履行を求めたり、何らかのペナルティを求めたりしたい場合もあるでしょう。
一般的には、法的な契約や合意は口約束でも成立するとされていますが、書面の有無によって影響を受ける場合があります。
そこで、今回は、借用証など書面のない約束事の効力についてお話ししたいと思います。
口約束でも契約は成立する
一般的に、民事法の考え方としては、口約束でも契約や合意は成立するとされています。
ですので、互いに内容を守っていれば、全く問題はないですし、契約や合意の成立自体に争いがなければ、法的手続でも資料が必ず必要というわけではありません。
なお、保証契約など、特定の契約に関しては書面を必要とするものもありますので、こちらは個別に注意する必要があります。
書面の効力
口約束でも契約が成立するといっても、書面に全く意味がないわけではありません。
書面は争いがある場合の証拠として機能することになります。
すなわち、裁判などになった場合には、いくら口約束でも契約が成立するといっても、証拠がなければ立証はできなくなってしまうため、書面はその証拠として機能することになるのです。
ですから、書面があるに超したことはありません。
約束事の効力
なお、約束事の中には、法的に効力がないものがあります。
これは、違法なものもありますし(違法薬物の売買契約など)、法的に意味を持たせる意味がないもの(8時に起きるなど)もあります。
このようなものは逆に書面に書いたとしても、法的には効力はありません。
書面を作成しにくい場合には
書面を作成したいと思っても、言いにくい場合もあれば、相手方が拒否することもあります。
このような場合、口約束でも契約は成立しますので、録音などをして証拠を撮っておけば、法的な効力を問える場合もあります。
難しい場合には、弁護士に相談しましょう。