配偶者がギャンブルなどにはまり借金を作ってしまった場合など配偶者の浪費や借金で離婚を考える方も多くいます。
過度な浪費や借金も離婚原因にはなり得る
過度な浪費や借金は場合によって離婚原因と認められ,裁判で離婚できる可能性もあります。
しかし,離婚原因になる浪費や借金は,かなり激しい浪費や借金です。
例えば,長期的にギャンブルにはまり,家族の貯金にも手を出して,預貯金をほとんど使い込み,その後,多額の借金をギャンブルのために使ってしまったなどです。他方で,家族のお金には手を付けず,生活費は大丈夫だが,隠れて借金してギャンブルに使ったという程度では離婚原因にはなりません。
ただし,重度の浪費・借金とまではいえなくても,他の夫婦の間の事情によっては,離婚原因となることもあります。
慰謝料も同様
そして,離婚原因にあたるような重度の浪費・借金の場合,責任のある配偶者には慰謝料を請求できることもあるでしょう。
財産分与での違い
財産分与については,一般に借金も考慮して算定しますので,財産分与が減ることになりますが,浪費による借金の場合は,夫婦の債務とは無関係なので,考慮しないことになります。
また,あまりに浪費などがひどい場合,財産分与での寄与度(分ける割合)に影響することもあり得ます。
回収可能性に注意
裁判または調停・協議などで離婚が決まった場合,養育費や慰謝料など一定の支払いをしてもらうことになりますが,その際,請求される側がギャンブル癖や多額の借金があると,その後の支払いが現実的に得られないことがあります。
ですので,他の離婚原因のとき以上に回収可能性には目を配らなければならず,場合によっては,どなたかに保証人になってもらうとか,何らかの準備をしておく必要もあります。
(離婚原因ごとの注意点⑤に続く)