法律相談をしていると、交渉で強制的に解決したいというお話や、和解のために裁判したいという話をされる方がいらっしゃいます。

 確かに裁判でも和解で解決する事例もありますが、そもそも交渉や裁判は手続きの目的が本質的には異なっている部分があり、上記の法律相談でのお話は必ずしも適切とは言えません。

 そこで、今回は、交渉と裁判の大きな違い(性質を前提とした進め方)についてお話ししたいと思います。

 

交渉での問題解決

 問題解決のために、相手方と交渉を行うこと場合、交渉の特性を踏まえる必要があります。

 交渉の最も重要な特性は相手方も含め、双方の合意が必要であるということです。

 一方の意見だけで交渉をうまくいかせることはできません。

 時折、相手方が言っていることがおかしいのだから、道理を説けば相手方が折れざるを得ない、それが正義であるというようなお考えの方がいらっしゃいます。

 確かに、相手方の考えや行動が間違っていることはあるかもしれませんが、そのことと、相手方がその話をして折れてくるかどうかは別次元の話です。

 相手にも価値観や感情があり、こちらと全く異なる認識を持っていることが多いです。

 そこで、交渉では、一定程度相手方の考えを受け入れたり、こちらが譲歩したりという必要があることも多いです。

 ですので、あくまで交渉は、強制手段としては利用できず、任意の手段として進める必要がありますので、進める場合には、相手方を責めるのではなく、相手方との着地点を話し合うというスタンスで進めることが重要です。

 

裁判での問題解決

 他方で裁判は交渉と違い、強制的に解決することが可能な手続きです。

 ですので、相手方の心情への配慮などは二の次で良い場合が多いでしょう。

 裁判では言い分とその裏付けを提出して、裁判所がこちらの言い分を認めてくれるようにすることが目的となり、そのような進め方をする必要があります。

 裁判で和解をするのは、最終的に判決で解決することが必ずしも妥当でない場合に行う解決といえ、最初から和解を目指して裁判を行うと、裁判で思わぬ結果が出ることもあります。

 したがって、裁判を行う場合には、強制的解決を目指し、そのための言い分や証拠を固めておく必要があります。

 

調停という方法もある

 裁判とは異なり、裁判所では調停という手続きもありますが、これは裁判所での話し合いの手続きですので、上記で言えば、交渉に近いものと言えます。

 

 

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