法的な紛争が発生し、話し合いでは解決できない場合、裁判所の手続きを頼ることになります。
その場合、裁判をするか、調停をするかのいずれかになることが多いですが、それぞれ特徴があり、紛争によって向き不向きがあります。
そこで、今回は、裁判と調停の違い(紛争をどのように解決するのか)についてお話ししたいと思います。
合意を目指すか強制を目指すか
まず、調停はベースとして話し合いによる解決ですので、合意を目指すことになりますが、裁判の場合は、判決で結論が決まるため、強制的解決を目指すことになります。
合意を目指す調停の場合、100:0の解決ではないことが多いですが、強制的解決である裁判の場合、白黒つけるという側面が大きくなってきます。
証拠の重要性
上記のとおり、強制的解決を行う裁判では、その根拠として、証拠を出すことが重要になります。
他方で、合意を目指す調停の場合には、話が進めばよく、証拠は必ずしも必須というわけではありません。
解決に至る考え方
以上のことから、証拠が十分あり、白黒つけたいという場合は裁判、証拠が不十分であったり、白黒ではない解決(柔軟な解決)をはかる場合には、調停が向いているといえるでしょう。
そして、それぞれにおいて紛争を解決する場合、裁判では、自分の主張を法的にしっかりと組み立て、それをしっかりとした証拠で裏付けて、裁判所を納得させることで、解決を目指していくことになります。
他方で、調停では、自分の主張を貫くのではなく、相手方の意見も踏まえ、全体的にどのように解決するのが良いか考え、柔軟に解決していくことになります。
失敗例
あり得る失敗として、調停なのに、自分の主張が正しいということばかり言い、相手方の話は聞かず、裁判所に対してどっちが正しいか決めてくれという態度で臨んでしまうことがあります。
こうなると、調停では解決できません。
他方で、裁判なのに、法的には無関係な生活状況などを話し、相手方に共感を求めるなどの場合がありますが、このようなやり方は裁判では通じません。
いずれかの手続きを選んだ場合、手続きにあった方法で進めた方が良いでしょう。