様々な紛争において、紛争解決を目指す場合に、重要なものとして証拠が挙げられます。
人によっては、論理的に話せば何とかなるはずとか、自分の思いを話せばわかってもらえるはずなどと考えてしまい、証拠がなくてもそれほど不安には思わない場合もありますが、いざという時に証拠がないことで、思ったような解決にならないことも多いです。
そこで、今回は、証拠の重要性(書類などを残さないとどうなってしまうのか)についてお話ししたいと思います。
証拠がない場合の解決
契約書などの証拠が残っていない場合、紛争解決にどのような支障が生じるのでしょうか。
まず、裁判所など、第三者が介入する手続きにおいては、第三者を納得させるのに証拠が必要になります。
特に双方で言い分が食い違っている場合、こちらが正しいと説明を尽くしても、証拠がなければ、その言い分の正しさに裏付けがなく、その言い分を基にした判断ができません。
また、当事者同士の話し合いでも同様です。
相手方が分かっているはずと思っても、言い分が食い違っている以上、相手方を納得させるのに証拠は必要になります。
言った言わないでは十分な解決は図れません。まさに、論より証拠といえます。
裁判ではどうなるか
特に裁判では、証拠は重要です。
裁判では、立証責任という制度があり、原則として自己に有利な事実については、自分で証拠を出して証明しなければならなくなっています。
証拠が不十分な場合、自分が主張している有利な事実はないものとして扱われてしまい、自分の思ったような判断はなされません。
調停や話し合いの場合
調停や話し合いの場合でも、証拠は重要です。
調停や話し合いでは、立証責任という話はないにしても、説得のためには証拠はかかせなくなってしまいます。
証拠なしにお話ししても、一つの言い分としかとらえられず、十分な説得は難しくなるでしょう。
以上のとおり、証拠は重要です。どのような場合であれ、できる限り証拠になるようなものはとっておくというのが、いざという時に有効ですので、注意しましょう。