裁判などで裁判所に提出する書類や契約書・合意書など、法的な意味のある文書は多数あります。
裁判の場合、一般的には弁護士が選任されることが多いため、ご自身で文書の作成を行うことは少ないかもしれませんが、契約書・合意書を作成する場合や、交渉や調停などで書類を出す場合には、自分自身で文書を作成することもあり得ます。
特にまだ紛争は発生していない場合には、当事者が作成することになります。
他方で、文書は万が一の場合に、大変重要な証拠になるもので、適当に作成してしまうと後日紛争が激化することもあり得ます。
そこで、今回は、法的な文書を作成する場合に弁護士が気をつけていることについてお話ししたいと思います。
文書の目的を意識する
まず、文書の目的(何のために作成するのか、誰が利用するのか)を意識して文書を作成する必要があります。
例えば、当事者間でのみ通じれば良い文書であれば、双方が納得する形になれば大丈夫ということになるでしょうが、いざという時には裁判所など第三者が読んだり利用したりすることがあるのであれば、第三者から見てもしっかりとした文書を作成しておく必要があります。
わかりやすい文章を作成する
次にわかりやすさを意識する必要もあります。
ここでいうわかりやすさとは、単に言葉が簡単ということではなく、意味が明確なものということです。
いつ、どこで、誰が、何を、どのように、どうするのかなど、文書の内容がはっきりと分かるものにした方が良いでしょう。
例えば、「飲み物を100円で売買する」と書いてあっても、飲み物とは何を指すのか、どのくらいの量が100円なのかなど、意味が不明瞭です。
「甲は乙に対し、コカコーラ500ml1本を100円で売り渡し、乙はこれを買い受けた」などと書いてあれば、飲み物の種類も量もはっきりします。
書いておいた方が良いものを記載する
また、弁護士が文書を作成する場合には、書いておいた方が良いことを記載するということを意識しています。
例えば合意書などの場合には、当事者間で後日争いになった場合に、こういうことを決めておいた方が良いだろうということを記載します。
裁判などの書面では、前提としてこういったことを記載していないと裁判所に伝わらないだろうといったようなことを記載します。
文書は法的には重要な意味を持つことが多いです。お悩みの場合には弁護士に相談してみましょう。