紛争を解決する、手続きを進めるなどのために、交渉を要する場面があります。

 1対1のこともあれば、相続のように複数人の間で行われることもあります。

 このような場合に、話し合いをうまく進める、円滑に進行させるなどしようとすると、一定の注意点を守った方がスムーズに進みます。

 そこで、今回は、交渉においてやってはいけないこと(円滑な進行のために)についてお話ししたいと思います。

 

常識を押し通す

 まず、人はそれぞれ考え方が異なります。

 育った環境や性格、これまでの経験など、様々な要因がありますが、交渉の前提として、人の考え方は違うということを十分に認識しなければいけません。

 例えば、話し合いの方法一つとっても、いきなり自宅に赴いたときに失礼だと感じる人もいれば、手紙でのやりとりを失礼だと思う人もいらっしゃいます。

 そのような場合に、手紙のやりとりの方が良いと思う人に対して、来ないのは失礼だ、常識がないなどと言うことは、交渉の妨害にしかなりません。

 ひとまず人の考えや価値観はそれぞれあって、常識のようなことはいったん置いておいた方が良いでしょう(常識すらも人それぞれであることを認識しましょう。)。

 

相手方に一定の結論を押しつける

 上記の常識と近いかもしれませんが、交渉において、結論を決め打ちし、それを相手方が飲まないのが悪いという形で話し合いを進めることは避けるべきです。

 交渉は、双方が納得する形を探るものですので、自分の考えを伝えること自体は大事ですが、相手方に対し、その結論を飲むように迫る、それ以外の結論は認めないというのでは交渉になりません。

 自分としてはその提案が譲歩していると思っていても、そのような方法は避けた方が良いでしょう。

 

相手方の話を聞かない

 交渉の中で一定の説得を行うとしても、相手方の話を聞かないというのは交渉の進行を妨げます。

 交渉では、コミュニケーションが重要であり、仮に相手方の話が納得いかないものであっても、どういう考え方なのかなど、話を聞くことは重要です。

 相手方も話を聞いてもらうことで、考えが整理でき、話し合いがスムーズになることが期待できます。

 

相手方を批判する

 交渉において話し合うべきこと、つまりそれぞれが話す内容については、紛争や問題の解決策についてです。

 にも関わらず、相手の人格否定や行動否定など、相手方を批判しても何にもなりません。

 批判された方が、批判されたからといって、結論を変えるというのはほとんど考えられないでしょう。

 むしろ一般的には、逆に批判的感情を抱き、逆にこちらを責めてくるような形になり、交渉は打ち切りとなるでしょう。

 感情的に相手方を責めることは避け、相手方を需要した上で、あくまで問題についての考え方や理由について話すよう努めましょう。

 

 

 

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