弁護士に相談に行くと、法律の話もありますが、裁判例の話をされることもあります。

 相談内容にもよりますが、法律の話に関連して裁判例が関係してくることがあるためです。

 しかしながら、一般的には、裁判例の位置づけ自体、よくわからないこともあり、話が分かりづらいと感じる原因になることもあります。

 そこで、今回は、裁判例の利用方法(弁護士が裁判例の話を出す理由)についてお話ししたいと思います。

 

裁判例とは

 まず、裁判例というのがどういうものかというと、同じような問題や同じような法律に関連する裁判で、裁判官が判断した判決内容を言います。

 法律の解釈についてのものもあれば、過失割合など、規範的な判断が入ることもあります。

 裁判は事実認定と法律適用によって判断が形成されますが、事実認定は事実に関する判断のため、あまり一般化できませんが、法律適用は法律の解釈に関するもののため、比較的一般化しやすく、相談内容の問題にもあてはめることができる余地があるため、裁判例でどのような判断がされているかが重要になってきます。

 

裁判例の利用方法

 裁判例での判断のうち、法律適用に関する部分について、相談内容に関係する範囲で、適用してみて、裁判などでどのような判断がなされそうかを確認するという利用方法が一般的です。

 弁護士の説明でも、裁判例からすればこうなるというような話をすることが多いです。

 ただし、裁判例にも効力が異なる2つの裁判があります。

 1つは最高裁判例で、最高裁が判断した内容は、少なくとも判断されてから当面は、法律のようにかなりの効力があります。

 もう1つは、地方裁判所や家庭裁判所などの通常の裁判例で、こちらは、判断が分かれることもあり、1つの例という限度にとどまってしまうこともあります。

 

弁護士が裁判例の話を出す理由

 上記のとおり、当該相談に関し、裁判例ではこうなりそうという意味で、弁護士が裁判例を話に出すことが多いです。

 特に多数の裁判例が積みあがっていたり、最高裁判例があるなどすると、判断が逆になることはなかなかないため、判断の前提になることがあります。

 また、裁判例がないよりもある方が、裁判での傾向が分かることもあり、その点でも話に出ることがあります。

 

 

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