相談の電話をいただく場合に、予約ではなく、そのまま相談できると考える方が少なからずいらっしゃいます。
そういった事務所もあるかもしれませんが、多くの事務所は弁護士の相談は予約制となっており、電話相談も受け付けていないこともあります。
当事務所も電話相談自体は否定しませんが、完全予約制としています。
今回は、電話したときに弁護士にそのまま相談できない理由についてお話ししたいと思います。
必要な情報が確認できない
ご予約で相談される場合、事前にお手元に必要な資料をご案内していますので、相談内容に必要な情報を確認できます。
しかし、急な電話相談はそのような準備がなく、情報があいまいになってしまいます。
これにより、回答ができない、または、回答が不正確になってしまうことが発生してしまうため、急な電話相談はよくありません。
できれば電話ではなく対面ですと、直接資料が確認できますので、より正確な情報提供が可能になります。
十分な時間が取れない
弁護士は通常、相談や打合せ、裁判への出頭など、タイトなスケジュールで動いています。
そうすると、仮に弁護士がいる時間に電話ができたとしても、次の予定があることが多く、十分な時間がとれません。
他方で、電話で相談したいという場合、相談者の方が5分や10分で相談が終わると思っていることが多いですが、一般的には30分でも足りないケースがかなり多いです(役所などの相談会は30分のことが多いですが、かなり早足で進めないと十分な相談ができません。)。
したがって、電話ですぐに相談というのは望ましくありません。
法律相談は複雑
法律相談は一般的なイメージと違って、簡単に結論が出るようなものではありません。
法律を当てはめる前提となる事情や経緯の聞き取りも必要ですし、想定される手段のうち、どの手段が良いのかは、それぞれの方の置かれた状況でも変わってくるので、そのような状況の聞き取りも必要になります。
そして、事情を様々聞いた上で、証拠も確認し、どのような手段が良いのか検討するということからすれば、すぐに電話で相談というのは難しいところです。
電話で依頼も困難
なお、電話でそのまま依頼ということもできません。
事情も本人確認もないまま弁護士は事件を受任することはできませんので、一旦法律相談を行ってから、依頼を受けるかどうか検討することになります。