【質問】

テレビCMなどで,法律事務所や司法書士などが,過去に借金がある人に過払い金が発生している可能性がありますなどという内容のものを発信していますが,過払い金の時効は10年などという話も耳にします。実際のところ,現段階で過払い金が戻ってくることはあるのですか?

 

【回答】

場合によってはあり得ます。

 

【理由】

借金がある方が,利息制限法という法律で定められた金利を超える利息を支払っていた場合に,その超えた部分は利息ではなく元本を弁済したことになるので,計算上,相手方の計算よりも早く完済になるため,その後の返済が法律上支払いすぎとなるのですが,その支払いすぎていた部分のことを過払い金といいます。

過払い金は,不当利得という民法上の規定を根拠に,貸金業者に対して返還請求ができます。

ただ,この権利の時効は10年とされています(民法改正により,場合によっては5年になります。)。

そして,現在は,2006年の法改正により各貸金業者が利息制限法の金利におさまる利率に変更してから10年は経過しており,ここ10年で貸し借りを繰り返しているだけの場合は,過払い金が発生することがない状態になっています。

また,2006年よりも前に借入があったが,現在から10年前には返し終わっている場合も,過払い金は発生しません。

しかし,2006年よりも前から借り入れがあり,ここ数年で返し終わった,または,いまだ返済を続けている場合には,過払い金が発生する余地もあります。

というのも,過払い金の算定は,基本契約ごと算定するなど,継続的な取引があればそれを都度繰り入れするなどして計算しますので,時効は最終取引日から起算しますので,最終取引日が10年経過していない場合には,いまだ時効で消滅していない可能性もあるのです。

ただ,貸金業者もこれを防ぐために途中で基本契約の書き換えをするなどしている場合もあります。この場合,前の契約と実質的につながっていることなどを主張立証する必要が出てきます。

なかなか一般の方が自ら計算するのは大変ですので,上記を踏まえて時効にかかっていないかもと考えられる場合には,取引履歴を取り寄せて,弁護士に計算をしてもらった方が良いかもしれません。

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