最近,外国車のカーシェア会社が破産する旨の連絡をオーナーにした問題で,車両が故障しているなどしていたため,詐欺ではないのかなどと報道されています。この事案が詐欺に当たるかどうかは詳細が分からない現在では何とも言えませんが,キャッシュカードをだまし取られる詐欺なども急増しておりますので,今回は詐欺被害についてのお話しと,詐欺被害にあわないための対策をお話ししたいと思います。
詐欺とは
詐欺というのは,要するにだまして財産を取ることをいいます。
刑事事件での詐欺は,財物の交付に向けられていることなどが要件となっていますので,財産とは無関係なものは詐欺ではありません。民事事件でも,詐欺による契約などは取り消せるというような場面で詐欺を論じますので,契約などと全く無関係のものであれば詐欺にはあたりません。
例えば,芸能人と知り合いだという虚偽の話をして,サインをもらってくるから10万円くれなどと要求するのは詐欺ですが,ただただ芸能人と知り合いだと虚偽の話で自慢しているだけでは詐欺にはあたりません。
詐欺の難しさ
例えば刑事事件では,詐欺行為の際にだます意思が必要なので,必ず返すからお金を貸してほしいといってお金を借りた場合に,すぐに返せなくなったとしても,もともと返せなかった状態で,もともと返すつもりもなかった場合でなければ詐欺に該当するといいにくいようになっています。
したがって,詐欺事件は他の事件と違って立証などがかなり難しいものとなっています。
また,民事事件でも,詐欺行為が契約内容と無関係とされてしまうと詐欺ではないということもありますし,仮に詐欺にあたっても,だました人に財産がなければ泣き寝入りということになりかねません。
したがって,財産の回収などの点でも詐欺は難しい事件だといえます。
詐欺にあわないことが重要
以上から,後日詐欺だと思っても,相手が逮捕もされず,お金も回収できないという事態が発生したりします。だまされてしまった方からすれば,少しでもお金を返すなり,反省して刑務所に入るなどしてくれれば,少しは気持ちもおさまる部分もありますが,そうはいかない場合もあるというのが現状です。
とすれば,もっとも重要なのは,詐欺にあわないことです。
そこで,次回以降,詐欺にあわないためにどうすればよいかの話をしたいと思います。
(詐欺被害にあわないために②につづく)