交通事故における賠償請求は,保険制度が充実しているため,保険会社任せになってしまい,示談が成立せずに紛争化してしまうと何をどうすればよいか困ってしまうこともあります。また,弁護士特約を使って弁護士を依頼することになっても,保険会社に任せていたことから,何か聞かれてもよくわからず,思ったように進まないことも多いです。そこで,今回はそんな状況にならないためにどうすればよいかについてお話ししたいと思います。

 

資料の収集・保存

 まず,資料関係は手元にコピーでも良いので,保存しておきましょう。

 警察や保険会社に提出することもありますが,全てコピー(コピーが煩わしければ,写真をとっておきましょう)を保存しておいた方が良いです。

 また,無関係と思われるものも,示談が全て終わるまで保存しておきましょう。

 さらに,現場の状況や車の状況も写真に残しておいた方が良いです。特に事故直後の写真があると,より証拠価値は高いです(ドライブレコーダーが搭載されている場合には,その画像も保存しておきましょう。)。

 事故について,どのような事故だったか,メモ書きを作っておくことも有用です。記憶は薄れやすいため,事故直後の記憶を残しておくことは大変重要です。

 

通院は定期的に行う

 お怪我をされた場合,病院に行くかと思いますが,例えばいわゆるむち打ち症の場合,何とか日常生活も行える場合もあり,仕事が忙しいなど何らかの理由で通院しなくなったり,間が空いたりすることもよくあります。

 また,相手方の保険会社が,通院費を出さない姿勢ですと,お金もかかりますので,通院を止めたり,回数を減らしたりすることもあります。

 しかし,後日賠償請求を行う場合には,通院が定期的でない,あるいは,回数が少ないなどすると,長期的に通っていても思った賠償が受けられない可能性が高くなります。

 少なくともお医者さんが定期的に通うようにお話しされているなどした場合には,必ず定期的に通うようにしましょう(一般的には週に2回程度通う必要があります。)。

 

通院の際は,痛いところを全部話す

 通院した際には,痛いところは全てお医者さんにお伝えしましょう。

 後日,後遺症などの賠償を請求する場合,事故後に申告のない部位の異常は,事故とは無関係のものとして,賠償を受けられなくなるおそれがあります。

 痛みがそれほどでもなくても,後日,痛くなったりしびれたりすることはありますので,少しの痛みでも最初からお医者さんに申告した方が良いです。

 

(交通事故の賠償請求で気を付けること②に続く)

 

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