住宅ローンや事業関係の借金について,新型コロナウイルスの影響を受けて返すのが難しくなってしまった場合の債務整理方法についてお話しします。

 

一般には,破産申し立てや個人再生などがあるが…

 新型コロナウイルスが原因による解雇や減収などによっても,当然ですが,一般の債務整理方法を利用することができます。

 ですので,いわゆる自己破産で債務を免責してもらったり,個人再生で債務を圧縮の上分割払いをしたり,任意整理で支払い方法をより支払いやすくしてもらうことは可能です。

 しかし,自己破産ですと,住宅ローンや車のローンがある場合には,住宅や車は取られてしまいますし,個人再生では一定の場合は住宅や車は残せますが,いわゆるブラックリストにのってしまうため,事業主の方など今後借入があり得る場合には大変な状況になってしまいます。

 他方で,任意整理では,債務総額はほとんど減らないため,根本的解決にはならない可能性があります。

 平常時であれば,債権者の立場も考慮すれば致し方ない部分もありますが,今回の新型コロナウイルスが原因の場合,ご本人の責任はないものですので,一定の考慮が必要です。

 

被災ローン減免制度が新型コロナウイルスにも利用できる

 そこで,この度,各種自然災害の被災者を対象としていた被災ローン減免制度(正式名称:「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」-以下,「ガイドライン」といいます。)が,新型コロナウイルスの影響を受けた方も利用できるようになりました。

 この制度は,裁判所の手続きではありませんが,一定の金額をお支払いすることで,残りの金額を免除してもらい,しかも,ブラックリストにはのらないという制度です。

 

ガイドラインの利用の条件

 利用条件として,新型コロナウイルスが原因となって減収や廃業・失業した個人で,2020年10月30日より後に新たな借入はしていないことが必要になります(その他にも細かい要件はあります。)。

 

利用方法

 利用方法は,借り先の金融機関にガイドラインの手続きに着手したい旨を伝え,その金融機関に同意をもらうことで,無料で弁護士などの専門家が担当になり,弁護士などのサポートを得ながら手続きを進めていくことになります。

 

早急に動く必要がある

 ガイドラインの利用にあたっては,様々な要件があり,時間がたつにつれて利用できないおそれが高くなってきます。

 そのため,利用したいと思われる方や,利用を検討したい方は,すぐに金融機関に相談するか,最寄りの弁護士に相談いただければと思います。

 

 次回はガイドラインの手続きの流れについてお話しします。

(新型コロナウイルスによる債務整理について②につづく)

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