不動産は動産と異なり,その状況を確認するにも専門的な知識が必要となる場合が多いです。今回は,不動産について,取引や問題解決に関して必要な知識をお話ししたいと思います。
不動産登記を確認する
不動産を取引する場合や,不動産に関して問題を解決したい場合,まず基準となるのが不動産登記です。
不動産は,実際に住んでいる人と所有者がずれることが多く(例えば,賃貸に出している物件),必ずしも外形から権利関係を把握することができません。
そこで,所有者や担保権者などについては,不動産登記を確認する必要があります。
不動産登記は法務局でどなたでも確認できます(全部事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を取得して確認します。)。所有者や利害関係人である必要はありません。
ですので,不動産に関連する取引や問題解決を行う場合,必ず不動産の全部事項証明書を取得しましょう。
住居表示と地番が違う場合がある
上記の登記を取得する場合に,一つ注意すべき点があります。
それは,登記に記載されている地番と,住所の地番が異なることがあることです。
つまり,例えば,自分は3丁目1-1に住んでいるから,3丁目1-1の登記を取得しても,実は登記上は全くことなる番地であることがあり,そのまま証明書を取得してしまうと全く別の不動産の登記を取得してしまう可能性があるのです。
この場合,法務局にはブルーマップという地図があり,地番と住居表示の照合ができるようになっています。また,法務局の担当部署に問い合わせをして確認することもできます。
登記上と現状の境界がずれていることがある
不動産の所有関係や状況を不動産登記で確認しても,登記と現状が異なることもあります。例えば,境界や面積などが異なることがあるのです。
不動産取引の場合,このような問題が出ないように,売買前に測量を入れることがあるのはこのためです。
不動産取引で測量を行わない場合や,問題解決を行う場合に境界が絡む場合には,場合によって後日測量をする必要があることは覚えておいた方がよいかもしれません。
(不動産に関する注意点②につづく)