事業承継も含め、相続を行う場合に、特定の相続人が他の相続人よりも著しく相続を多く受けた場合、他の相続人は遺留分という権利が侵害された限度で、その穴埋めをすりお金の請求(遺留分侵害額請求)をすることができます。

 ただ、事業がうまくいっている場合、事業価値が大きくなることで、他の相続人から請求される遺留分侵害額が大きくなってしまい、円滑な事業承継が難しくなることもあります。

 そのようなことを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

 

民法の原則

 民法の原則では、遺留分を被相続人の生前に放棄する手続きを行うという手段があります。

 ただ、この手続きは家庭裁判所での許可を得る手続きになり、様々な事情の考慮なども必要になりますので、それほど簡単なものではありません。

 

経営承継円滑化法による方法

 そこで、経営承継円滑化法において、遺留分に関する民法の特例が準備されています。

 これは、中小企業で、3年以上継続して事業を行っている非上場企業であり、過去または合意時点で会社の代表者であるものの承継であって、後継者も一定の条件を満たす場合には、承継される企業の持分に関し、遺留分算定の基礎から除外する合意を行う方法か、遺留分における価格を固定する合意を行う方法をとることができるというものです。

 つまり、遺留分の算定から除いたり、遺留分の算定において安く算定に加えることで、過大な遺留分侵害額請求を防ぐという制度です。

 この制度は、適用条件を満たすことを確認した上、推定相続人を含めた合意、生前贈与、経済産大臣の確認、家庭裁判所の許可という各手続きを経る必要があります。

 手続きとしては確かにややこしいところはありますが、推定相続人は遺留分自体がなくなるわけではなく、遺留分の放棄よりも同意が得られやすいなどのメリットもありますので、有用な方法です。

 また、同法は経営の承継を円滑にするため、上記の特例以外にも、税制における納税猶予制度や金融支援等も定めています。中小企業における経営の承継策として、一度確認しておいた方が良いでしょう。

 

 

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