当事者同士の話し合いで解決しない場合,いきなり裁判をするのではなく,裁判所の調停を選択する場合があります。

 また,法律相談などに行かれて,調停を進められることも多いと思います。

 とはいえ,調停とはどんな手続きなのか,弁護士を依頼しないで手続きが可能なのか,など,様々な疑問が生じる方もいると思います。

 そこで,今回は調停についてお話ししたいと思います。

 

調停は話し合いを裁判所で行う手続き

 調停は調停委員という方が間に入って,当事者間の話し合いを行う裁判所の手続きです。

 通常の話し合いでは,当事者間の力関係や感情のもつれにより,なかなか解決できない場合に,公平な第三者である調停委員が入ることで,紛争の解決が期待できるというのが,調停の意義です。

 なお,調停には,簡易裁判所で行う民事調停と家庭裁判所で行う家事調停がありますが,今回は共通するお話をしたいと思います。

 

調停の申し立てまで

 調停を行うには,裁判所に調停申し立てという手続きを行う必要があります。

 これは,調停を求める内容によって必要書類は変わりますが,必要書類とともに調停申立書を裁判所に提出して行います。

 必ずしも裁判所に直接持って行く必要まではなく,郵便でも受け付けられます。

 必要書類の他,印紙や切手も必要になりますので,申し立ての際は裁判所に連絡の上,申し立てを行った方がスムーズに進むと思います。

 

調停申し立て後

 調停を申し立てると,場合によっては,追加で資料を求められます。

 また,調停の第一回期日が設定され,相手方に呼出状が発送されます。

 第一回の期日については,申立人の都合も聞いてくれますので,勝手に決まるということはありません。第二回以降は,両当事者の意見も聞きながら,日程調整をします。

 

調停期日の進行

 調停期日では,双方代わる代わる調停委員にお話しをして,事情の説明やどういった解決がしたいかなど意見を述べていきます。

 話し合いの進行中は,当事者双方が顔を合わせることはないことが多いです。

 互いの意見を調停委員が調整していくことになります。

 調停は通常1回では終わらず,何度か期日を開いて進行していきます。

 一般的には,1か月に1回程度のペースで行っていきます。

 

調停が成立したら

 双方の意見が一致し,合意が成立すると,調停成立になります。

 調停の結果は調書という書類になり,申請すればその書類を受け取ることができます。

 もし,例えば決まった分割払いなどを相手方が守らない場合,この調書を使って差し押さえなどをすることができます。ただし,相手方も調書を受け取っていることが必要になりますので,調停成立時には申請して,双方とも書類を受け取った方が良いでしょう。

 

調停が成立しなかったら

 調停が成立しない場合,自動的に裁判になることはなく,単に調停が終わります。

 ただし,家庭裁判所の家事調停では,一部の調停は審判という手続きに自動的に移行し,裁判官の判断で結論が出ることがあります。

 自動移行しないものについては,他の手段を考えることになります。

 

 

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