裁判をした方の中には全く納得のいかない結論になったという方もいらっしゃると思います。

 また,裁判のニュースなどで,視聴者として,結論が納得いかないと思うこともあると思います。

 では,なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それには裁判の仕組みが関わっています。今回はこの裁判の仕組みについてお話ししたいと思います。

 

裁判所は原則として事実を調査しない

 裁判は,民事であれ刑事であれ,基本的には,主張や立証は当事者(民事では原告被告,刑事では検察官等)が行うことになっています。裁判所で積極的に事実の調査をすることはありません。

 これは,当事者こそが真実を知っているということもありますが,それ以上に,裁判における真実の見極め方への考え方が影響しています。

 つまり,裁判は裁判所はどちらの当事者にもよらず,公平かつ冷静に判断すべきであり,当事者が全力で主張立証をして,2つの対立する視点から見ることが真実発見につながると考えているのです。

 逆に裁判所が積極的に事実を調査してしまうと,どちらか一方に肩入れしてしまい,不公平な裁判がなされるおそれがあるという点からすると,このような考え方は妥当でしょう。

 

ただし,当事者には差がある

 当事者が全力で主張立証する場合,理論的には当事者は平等ですが,現実には当事者には差があります。

 特に有用な証拠をどれだけ持っているか,または,証拠を事後的に調査する能力などについてはかなりの差があります。

 この差が裁判の結論に出てしまうことはあり得ます。

 

すなわち,証拠はかなり重要である

 以上からすれば,裁判の差は証拠に関する力の差も影響していると考えられます。

 今後,裁判なども考えられる場合には,証拠をしっかりと収集しておくと良いでしょう。

 

 

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