前回,証拠の重要性をお話ししましたが,証拠の中には後日収集できる可能性があるものと,後日収集することは難しいものがあります。
それを意識しておけば,普段から残しておくべきものがわかりますし,逆に手元になくてもよいものもわかります。
そこで,今回は残しておくべき証拠は何かという点をお話ししたいと思います。
公的な資料については後日収集できる可能性がある
まず,登記や手続の資料など,公的な資料については後日収集できる可能性があります。
登記申請書等は場合によって,閲覧等ができますし,公的なものであれば,裁判所の調査嘱託や弁護士会照会などで調査できる可能性があります。
もっとも,税務関係の資料は公的なものでも取得が難しい場合が多いです。
企業などが保有しているものも後日収集できる可能性がある
また,企業などが保有しているものは,公的なものほどではありませんが,後日収集できる可能性もあります。
特に企業が第三者である資料に関しては,開示してくれる可能性もあります。
ただし,個人情報に関するものや企業秘密に関するものは開示してもらえませんので,注意してください。
当事者間でしか保有していないものは残しておくべき
他方で,当事者間でしか保有されない資料に関しては,他にどこにもないため,残しておく必要があります。
特に契約書など合意の内容を表す重要なものは必ず残しておいた方が良いでしょう。
当事者間のやりとりに関する物も残しておくべき
メールや音声などで,保有しているものは,当事者間のやりとりに関する資料となりますので,残しておいた方が良いでしょう。
何もないときの対応
万が一,証拠関係が全くない場合には,相手方の協力を得られる段階であれば,事実を確認する書面を作成しておくという対応もあり得ます。
もっとも,協力が得られない場合には使えない方法ですので,できる限り証拠は残しておきましょう。