法人という言葉は聞いたことがあると思いますが、その意味についてしっかりと理解している方は少ないかもしれません。
株式会社などの会社は法人ですし、一般社団法人なども名前の通り法人です。外国に置いた会社を現地法人などということもあります。
では、法人とは何なのでしょうか。会社という言葉と違いがあるのでしょうか。
法人とは法律で認められた人
法人とは法律で認められた「人」です。通常の人間は自然人といいますが、自然人の集まりである団体で財産を持っているときに、どのように財産を管理するのかなど、集まりとだけ理解してしまうと大変面倒になります。
そこで、法律で会社などを法人として認めることで、会社のものは会社のものとして、個人のものとは峻別することができるようにしているのです。
会社は法人の一種
会社というのは、法律上、株式会社、合資会社、合名会社など、一定の手続きを経て作成された組織のことを言いますが、法律で会社はいずれも法人とされていますので、会社は法人の一種ということになります。
会社以外の法人としては、一般社団法人や宗教法人などがあります。
法人の財産は法人のもの
法人とされた団体は、法人自体が契約をしたり、財産を持ったりすることができます。
ただ、法人は組織ですので、実際動くのは法人の代表権を有する自然人(代表取締役など)です。
代表取締役などが会社のために会社名義で行ったことは会社に帰属することが原則であり、当然、代表取締役が個人として個人のために行ったことは会社に帰属せず、他方で会社のために会社として行ったことは個人に帰属することはありません。
すなわち、法人は一人の人として、代表取締役などの個人とは完全に峻別されるのです。
会社の財産を社長が勝手にすることはできない
以上から、会社の財産を社長などの代表取締役が自分のために勝手に使うなどは許されないのが原則です。
このような勝手な行為は横領や背任になってしまい、犯罪になるとともに、法人に対して損害賠償責任を負うことがあります。
以上のとおり、法人は法律で作った人であり、自然人とは明確に区別されるものです。特に一人会社の代表者の方はご注意ください。