訴訟提起を考えている場合や訴訟を提起されて裁判所から訴訟の呼び出しが来た場合,弁護士に相談する方が多いと思います。

 しかし,弁護士の知り合いもなく,相談する時間や費用がない方や,弁護士に依頼するお金がないなど,事情によって本人で対応しなければならない場合も存在します。

 私としては,仮に本人で対応しなければならないとしても,弁護士に相談くらいはしてほしいところですが,弁護士へ相談することに抵抗のある方もいらっしゃると思いますので,今回は本人が訴訟で対応する場合の注意点と,どこまでなら本人が対応できるかについてお話ししたいと思います。

 

本人が訴訟を行う場合の注意点

 訴訟提起の際や訴訟の期日の際,本人が対応している場合,裁判所は一応わかりやすく説明をしてくれるなど,一定の配慮をしてくれます。

 しかし,どの法律構成なら有利だとか,どういうことをした方が良いというアドバイスはくれません。

 そこで,一つ目の注意点としては,十分に知識を入れておくことです。

 できれば弁護士に相談した方は良いですが,弁護士に相談しないとしても,本やインターネット,知識のある知人に聞くなどして情報収集をすることは必要だと思います。

 また,二つ目の注意点としては,できるだけシンプルに行動することです。

 訴状を書くにしても,尋問で回答するにしても,シンプルにしておいた方がぼろが出にくくなりますし,争点も明確になります。

 話などが脱線してしまうと,裁判所にうまく伝わらず,訴訟の結果にも響いてしまいます。

 三つ目の注意点は感情的にならないことです。

 訴訟は法律への当てはめを行うものであり,人情で判断してもらうものではありませんので,できるだけ冷静に振る舞った方が良いです。

 

どこまでなら本人が対応できるか

 比較的単純な貸金請求などであれば,本人でも対応可能だといえます。また,被告でも,借金の返済に関するものであれば,比較的難しくはないでしょう。

 賃料の請求なども同様です。

 このような単純な類型のものは裁判所でも訴状が定型書式になっています。定型書式があるものは比較的対応可能かもしれません。

 他方で,法律が入り組んでいたり,事情が入り組んでいるものは,本人で対応することは難しいといえます。

 すなわち,求めるものや事情がシンプルかどうかである程度の判断はできるでしょう。

 

法律相談の重要性

 とはいえ,一旦訴訟が始まってしまうと,予想外に対応に迷ったり,難しい局面に遭遇することもあります。

 ですので,弁護士に依頼までしなくても,法律相談はした方が良いでしょう。

 弁護士の知り合いがいなければ,弁護士会や法テラス,自治体などでも相談会がありますし,弁護士に相談したからといって依頼しなければならないわけでもありませんので,時間を見つけて相談した方が無難です。

 

 

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